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みなさま、こんにちは。 前回に引き続きビジネスアドボケートの目玉機能の1つをご紹介しましょう。今回のテーマは、リアルタイムマネージメントを強力にサポートする「リザーブエージェント」のご紹介です。なんとそのときそのときの状況でバックアップエージェントの人数を自動的に調整してくれるという、これまた夢のような機能をご説明しましょう。
リアルタイムマネージメントを行う上での課題とは
過去のCMSデータやイベントなどの加味しコールボリュームの予測をし、それに基づいてスタッフィングをしていると思います。しかしながら、電話はランダムに発生し、予測を超えることがしばしば発生します。その場合は、リアルタイムマネージメントを実施しカバーをしてきます。現在の状況を把握適切なアクションを取って、サービスレベルの維持に努めていると思います。そのような中で現場のスーパーバイザーやあるいやコマンドセンターの方がCMSのリアルタイムレポートを監視し、あるスキルに待ち呼がx個以上発生したので、別のグループや部署から応援を頼むことがあると思います。実際には、CMSでエージェントのスキルを付け替え、エージェントをスキルグループ間で移動し、状況が改善したらスキルを元に戻すなどの対応をしていると思います。
この場合、以下のような課題があります。
エージェントをグループ間で移動するバックアップの運用を行うのであれば、人がやるにせよ、システムがやるにせよ以下が大切なポイントになるでしょう。
今からご紹介するリザーブエージェントは、上記のポイントをすべて満たすのです。
リザーブエージェント
リアルタイムマネージメントの重要なポイントは、計画にあります。どのような状況なときに誰が誰に連絡をしてどういうアクションを取るのかが決め手となります。スキル変更を行う場合でも、誰が監視をして、どういう条件のときに、どういう連絡体制でスキルを変更して行くのか計画し、実施していると思います。リザーブエージェントは、この一連の処理を自動化し、リアルタイムマネージメントを強力にサポートします。
あるスキルをメインに担当しているエージェントが他のスキルのバックアップができる場合には、そのエージェントにあらかじめ “リザーブスキル”をアサインしておきます。バックアップ対象のスキルのEWT(予測待ち時間)を条件にして、2段階の規定値(レベル1:要注意ゾーン、レベル2:危険ゾーン)を設けエージェントの人数をコントロールします。
上図の例で説明すると、問合せスキルにたくさん着信が入り、予測待ち時間(EWT)が40秒を超えたら問合せスキルのレベルにリザーブ1を持つエージェントが自動的にログインします。さらに着信があって、予測待ち時間(EWT)が60秒を超えた場合、今度は、リザーブ2のエージェントが自動的にログインされます。そして、待ち呼が少なくなって、規定値2を下回るとリザーブ2のエージェントはこのスキルからログアウト状態になり、さらに規定値1を下回るとリザーブ1のエージェントがこのスキルからログアウトします。
ヒント:リザーブエージェントの設定について
バックアップの対象にするスキルは、スキル単位にサービスレベルスーパーバイザーという機能をONにする必要があります。この設定をONにすると、しきい値1(リザーブ1:要注意ゾーン)の予測待ち時間(EWT)、しきい値2(リザーブ2:危険ゾーン)の予測待ち時間(EWT)の設定ができるようになります。そして、これらはACM(PBX)側の設定になります。一方、このスキルをアサインするエージェントは、CMS Supervisorのエージェントスキルの変更画面で、通常のスキル変更と同じようにレベルにR1(リザーブ1)、R2(リザーブ2)を設定します。
リザーブエージェントの対象スキルは、スキル単位にする/しないのが設定でき、また、対象のエージェントもエージェント単位に対応する/しないを設定できますので、非常にフレキシブルな運用を行うことができるのです。
機能はおわかりになりましたでしょうか? それでは、人手による管理とリザーブエージェントを使った運用による違いを見てみましょう。
人手による対応では、まず問題の発見が遅れがちです。気が付いたときは、すぐに対応をする状態にあるでしょう。そこからスキル変更をして、問題が解決できたら、エージェントのスキルを元に戻します。一方、リザーブエージェントによるシステム対応では、要注意ゾーンに遷移したタイミングですぐさまバックアップエージェントが自動的にアサインされ、すぐに平常運用に戻すことができるのです。
典型的なコンタクトセンターでは、エージェント一人あたり、一日0.5から1回のスキル変更を行なっています。エージェントが100名いるセンターで一人当たり変更に90秒かかるとすると、1日あたり、スーパーバイザーの時間が2.5時間取られることになります。これは年間240日営業とした場合、600時間にも及びます。
なぜEWT(予測待ち時間)を条件にすべきなのか?
リザーブエージェントは、EWT(予測待ち時間)の値を条件にして、バックアップエージェントのコントロールをしています。予測の待ち時間ですので実際にはまだ待っていない段階から手を打つため、プロアクティブな対応になります。実際にスーパーバイザーがスキル変更を行う条件は、待ち呼の数、最大待ち時間、平均応答時間、放棄率、サービスレベルなどを利用しているでしょう。待ち呼の数は、対応しているエージェントの人数で待ち時間が変わるために、ぶれるかと思います。最大待ち時間※は、いくつかある中の最大なので、この値1つで見るのはこちらもぶれが大きいです。平均応答時間やサービスレベルは、あくまで今までのヒストリカルなデータの積み上げなので、リアルタイムな処理には適切ではありません。したがって、EWT(予測待ち時間)がベストな選択となるのです。
もう1つのリザーブエージェント=>売上向上に貢献するようにルーティングする
リザーブエージェントは、バックアップを条件に基づいて自動に行うことができる機能です。“バックアップ”については、第17回の「バックアップスキル」の部分で説明しています。リザーブエージェントは、バックアップの常識を替え、売上に貢献する手段と成り得るのです。
セールス主体のインバウンドセンターでは、エージェントの能力が売上に左右するということは言うまでもありません。したがって、価値の高い(よりたくさん購入していただけるであろう)お客様は、出来る限りトップセールスエージェントに接続したいものです。
今までのルーティングでは、メインの担当以外にバックアップスキルとして低いレベルで他のスキルをアサインしてマルチスキルで対応します。この場合、低いレベルとは言え、レベル順に着信するため呼があふれると必ず着信します。このような場合、トップセールスに接続させたい呼が、ローパフォーマーの担当に接続されることがあるでしょう。
リザーブエージェントを使えば、基本はメインのスキル、ちょっと混んでもメインのスキル、このまま放っておくとヤバイとき(あらかじめ規定したEWT(予測待ち時間)を超えたとき)だけ、リザーブスキルで対応するといった使い方ができるのです。このようにすることで、メインの方には、なるべくメインの担当をやって頂けるようになります
お客様とエージェントのスキルのマッチレートの向上、そして、突然のコールスパイクにもバックアップ自動的に稼動させることにより機会損失を防ぐことができる。これらが「リザーブエージェントが売上向上に貢献する秘密だったのです。
ザーブエージェントのメリットのまとめ:
最後に、これだけは言っておきたいのですが、ビジネスアドボケートは、ACM(PBX)上で稼動するコールセンターソフトなので、ACM(PBX)の内部で予測待ち時間(EWT)の監視をして、内部でアクションを起します。したがって、何よりも素早く何よりも正確にルーティングをすることができるのです。予測待ち時間(EWT)の精度はどうなのか?という議論があるかもしれませんが、我々アバイアは、この業界の中でアバイアの予測待ち時間(EWT)が世界で最も精度が高いと信じています。
おわりに
最後までお付き合い頂きありがとうございました。私がビジネスアドボケートに感動した理由を少しでも届けられましたでしょうか? 「やっぱりコンタクトセンターはアバイアだね!」と言われるようにこれからも頑張って行きたいと思います。
それでは次回もお楽しみに。
第24回
アバイア ビジネスアドボケート : 優先順位付けのデメリットを解消しよう