第21回 アバイアビジネスアドボケート:Predicted Wait Time(PWT)とは?
みなさま、こんにちは。新しい年に入ってはじめての連載となります。私の方は、年初から我々のチームが開発しているAgent MAP、StationLink、CMS Webサービスの販売が好調で忙しくしています。これらのアプリケーションは日本発のもので、我々日本のプロフェッショナルサービスの今までの経験・ノウハウが注ぎ込まれています。「さすがアバイア、コンタクトセンターをよく知っている!」と言われるようになるという志を持って開発しています。そして、みなさまのフィードバックを受けさらに成長を重ねております。日本で開発したものだけあって、痒いところに手が届きまくりです。一度も目にしたことのない方、古いバージョンしか見たことのない方にとっては、必見の価値があると思っております。ぜひ当社に足を運んで頂き、実際のデモを見て頂ければと思います。
さて、宣伝っぽいことはさておき、ビジネスアドボケートのお話でしたね。アドボケートの機能を1つ1つ見ていきましょう。
今一番長く待っている呼に応答すればよいのか?
待ち呼がたくさんある状況(Call Surplus状態)の中で、エージェントが受付可にしたときにどの呼が応答されるのかのルールは既に学びました。スキルレベル順やレベルに無関係な順序の場合でも最終的には、最も長く待っている呼が応答されました。しかし、今最も長く待っている呼が本当に応答されるべき呼なのでしょうか?
上の図で、「問合せ」はたくさん電話が入ってきますが、「問合せ」に応答できるエージェントもたくさんいます。一方、「クレーム」は少ししか電話も入ってこないため、エージェントも少しだけという状況があったとします。
さて、この状況で「問合せ」と「クレーム」の両方のスキルを持ったエージェントが受付可になると、ちょっとの差で「問合せ」の待ち呼は「クレーム」よりも待ち時間が長いため、「問合せ」の待ち呼が応答されることになります。では、残った「クレーム」の待ち呼について、「クレーム」の側から見るとどんなことが考えられるでしょうか?
①「クレーム」スキルを持っているエージェントは少ししかいないから応答されるまでに時間がかかってしまうかも。。。 ②先に「問合せ」の待ち呼に応答しなくても、他にたくさん応答できるエージェントがいるからすぐに応答されるだろうに。。。 |
ということが言えるのではないでしょうか。
したがって、このようなケースでは、「もし今すぐ問合せキューに応答しなくてもすぐに他のエージェントが応答するだろうから、クレームを優先して応答して欲しいなぁ」となるわけです。
Predicted Wait Time(PWT)とは?
そこでアドボケートの登場です。アバイアのACDは、コールキューに入っている待ち呼が順番を1つ繰り上がる時間を目安に「今応答しなかったら、あとどれぐらいキューに入ったままなのか」を計算することができるのです。それを利用します
これを使ってアバイアのACDでは以下の2つの待ち時間を扱うことができるのです。
※Call SelectionのルールにCWTかPWTを使うかは、システムワイドの設定になります |
今までのCall Selectionのルールは、CWTしか使えませんでしたが、アドボケートではPWTを元にすることができるようになりました。
PWTをわかりやすく図解すると次のようになります。
上の例で行くと、「問合せ」キューの先頭の現在の待ち時間は15秒で、もし応答されない場合の待ち時間は10秒なので、PWTは25秒となります。一方「クレーム」キューの先頭の現在の待ち時間は、10秒ですが、もし応答されない場合は30秒待つことになります。したがって、PWTは40秒となります。PWTを使用した場合、「クレーム」キューの待ち呼が応答されることになるのです。
大勢の一般的なスキルと専門に特化した少人数のスキルが混在しているような状況では、Predicted Wait Time(PWT)を使った方が安全ということになるのです。
おわりに
最後までお付き合い頂きありがとうございました。お楽しみ頂けましたでしょうか?
アドボケートの機能の1つを紹介しましたが、まだまだ序の口です。一度にたくさん説明してしまうと混乱してしまうかもしれないので順を追って1つずつ説明したいと思います。他にもすばらしい機能がたくさんあります。続きは次回以降でお届けします。
第22回
アバイア ビジネスアドボケート :
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