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2022/03/30

第4回 コンタクトセンターの科学:「パレート図を活用しよう!」

アバイア プロフェッショナルサービス シニアコンサルタント
長崎智洋

さて、みなさまは「QCの7つ道具」というものをご存知でしょうか?

QCとはQuality Control、つまり、品質管理のことです。

この「QCの7つ道具」とは、品質管理における数値的品質管理の代表的な7つの手法のことをいいます。

前回は、「コールリーズンを取ろう!」のお話をしました。

今回は、この手法の1つ「パレート図」を使って、取得したデータを利用して、どのように改善に生かすのかをお話ししたいと思います。

その前に、パレートの法則を説明しましょう。
「2:8の法則」というものを聞いたことがありますでしょうか?
「2割の優良顧客が8割の売上げを生む」というのは有名なお話ですよね。
「上位2割のお客様に対してキャンペーンを打とう」などの戦略を作るときに利用できます。
これを品質管理に利用したのがパレート図です。

では前回取得したコールリーズンのレポートを、このパレート図に当てはめてみたいと思います。

まずは、コールリーズンを1日や1ヶ月などの範囲で集計しましょう。

そして、リーズンの多い順にソートして下さい。次に各リーズンの比率を計算し、その比率で上からの累積%を計算します。

この辺はEXCELにやってもらいましょう。

コールリーズン集計表

そして、件数の多い順に、件数を棒グラフで、累積%を折れ線で、グラフ化して見てみましょう。

グラフ:パレート図

こんな感じにパレート図が出来上がりました。

このパレート図はプライオリティーを考えるときに利用することができます。

上のグラフでは、はじめの5つのリーズンで全体のコールの80%以上を占めていることがわかります。

つまり何か対策を打つときには、はじめの5つのリーズンに着目すれば、その対策は全体の80%に対するものになるのです。

例えば、多少強引ですが、数字上ははじめの2つの理由をWebやIVRなどのセルフサービスに移行できたとすれば、全体の呼量の60%以上削減できることになります。

そして、パレート図ではありませんが、下のように処理時間が長い順のグラフを作ってみましょう。

「処理時間が長いリーズンはどれか?」、「なぜ長いのか?」を調べることで、対策のヒントが見えてきます。

処理時間が長い順のグラフ

また、ECHのデータを利用すれば、個人別やスキル別でのリーズンの集計をすることなどもできると思います。

それらを使えば、前回の繰り返しになりますが、以下のような検討ができるかもしれません。

  •  IVRやWebなどによるセルフサービスの検討
  •  IVRのメニューの順番(件数の多い順に使い勝手よく)
  •  IVRでの振り替けの検討
  •  窓口・スキルルーティングの見直し
  •  エージェントとスキルアサインのミスマッチの発見
      (特定の理由でエージェントの通話・後処理時間が長い)
  •  FAQの作成、トークスクリプトの作成・改善
  •  客先への配布物の不備やわかりづらさ
  •  商品・サービスの不具合の発見
  •  通話時間・後処理時間削減のためのシステム化(CTI・CRM化)
  •  etc.

最近、フレームワークという言葉をよく耳にします。

パレート図も「QCの7つ道具」というフレームワークの1つです。

「QCの7つ道具」には、他にもヒストグラム、管理図、散布図、特性要因図、チェックシート、グラフなどがあり、もちろんこれらも活用することができます。

また、他にもたくさんのフレームワークがありますので、コンタクトセンターの分析に活用してみましょう。

今回もお楽しみ頂けましたでしょうか?次回もさらにDeepに行きたいと思います。

第5回

コンタクトセンターの科学:「ヒストグラムを活用しよう!」

 

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