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事例

株式会社日本総合研究所

ハードウェア環境については、既に仮想化をベースにプライベートクラウド環境を構築し、グループ全体で利用できる共通基盤の整備を推進してきました。当プロジェクトはそれをさらに一歩進めたもので、業務に関わるシステム部分の共通化を図る、SMBC グループとしては初めての取り組みでした。

グループ企業􀀀社のコンタクトセンターを 仮想化基盤上で共通化 各社の使い勝手はそのままにグループ全体で 15~20%のコスト削減を目指す

グループにおけるシステム共通化の第一弾として取り組んだ コンタクトセンター

シンクタンク・コンサルティング・ITソリューションの3つの機能を有する総合情報サー ビス企業である株式会社日本総合研究所では、所属するSMBC グループの各社に 対して金融システムの開発や保守などのサービスを提供している。SMBC グループ がグループ全体でのコストダウンと効率化に向けた取り組みを加速させるなか、同 社ではグループ各社が抱える個別のシステム環境を統合させ、グループ共通の基盤 づくりを進めてきた。

「ハードウェア環境については、既に仮想化をベースにプライベートクラウド環境を 構築し、グループ全体で利用できる共通基盤の整備を推進してきました。当プロジェ クトはそれをさらに一歩進めたもので、業務に関わるシステム部分の共通化を図る、 SMBC グループとしては初めての取り組みでした」と基盤開発部門 基盤システム開 発第五部長(当時)小林和洋氏はプロジェクトの経緯を説明する。

今回、最初に取り組んだのが、各社ごとに構築されてきたコンタクトセンターシステ ムの共通化プロジェクトだった。「各社とも基本的にはアプライアンスベースで構築 運用していましたが、業務要件をみると特別な仕様に依存していない部分が多く、 集約度を高めやすいことが分かりました。そこで、グループにおけるシステム共通化 の第一弾として、グループ6 社がそれぞれ構築してきたコンタクトセンターを集約し ていくことになりました」と語るのは同部付部長(当時) 藤本和孝氏だ。各社から の同意を得た後、共通化に向けたガイドづくりに取り掛かりながら、基盤となるソ リューションを検討していくことになる。

概要

当プロジェクトにおいて は、グループ6社がそれぞれ 運用してきた個別のコンタ クトセンターのシステム基 盤を仮想環境で統合、以下 の効果を目指す。

  • 個別の要望に柔軟に対応、 操作性は損なわずに席数 8,500超の大規模システム に統合
  • サーバー台数を約3分の1 に削減、スペースも圧縮
  • グループ全体で15~20% のコスト削減効果

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異業種混在で大規模かつ仮想環境で稼働できることが条件に

コンタクトセンターシステムの共通化を実現させるための大きな課題の一つとなった のは、国内でも類を見ない大規模な席数が確保できる基盤が構築できるかどうか だった。「当プロジェクトでは2,000を超える席数で運用するコンタクトセンターなど も含めてまとめ上げることになるため、大規模な基盤を構築する必要がありました」 と今回のプロジェクト専任である同部ITプロフェッショナル(エキスパート)(音声基 盤・CTI基盤 分野)大島靖之氏は振り返る。

また、当プロジェクトでは共通基盤の仮想環境に構築することによるコスト削減も求 められた。「コンタクトセンターを仮想環境で運用することにはコスト面で大きなメ リットがあります。サーバーが集約されるため、運用保守関連のコストはもちろん、 サーバー設置スペースも削減できるからです」。もちろん、突発的なアクセス集中や急 な拡張が必要な場面でも、リソース追加が容易な点も仮想環境に移行する大きな理 由であったと藤本氏は説明する。

そこで注目したのが、アバイアが提供するコンタクトセンターソリューションだった。 「グループ各社がこれまで活用してきたアプライアンスサーバーが、実はどれもアバイ アのソリューションでした。そのため、アバイアが基盤の共通化にどの程度柔軟に対 応できるかの視点で検討を進めました」と語るのは同部次長(当時)上村洋史氏だ。 また、同じグループ企業でも、銀行やカード、証券、消費者金融などそれぞれ業態が異 なるため、コンタクトセンターの使い方や位置づけなど各社のニーズが大きく異なる という問題も立ちはだかった。「システムの共通化ではどうしても最大公約数的な機 能が実装されることになるため、各社で我慢しなければいけない部分がそれぞれ出 てきます。どこまで共通化するのかという範囲を決定することに苦労しましたが、以前 から使ってきたアバイア製品なら、各社のニーズの本質を充足できるのではと考えま した」と上村氏は語る。

他にも、アバイアのソリューションが外部との柔軟な連携に対応している点も高く評 価された。「各社は独自にコンタクトセンター業務システムを構築しており、使い方が それぞれ異なるため、コンタクトセンターの基盤では異なる業務要件に応えられるよ うなインタフェースを持つことが求められました。アバイア製品にはAPIなどのインタ フェースが豊富にあるため、基幹システムとの連携も含めて、共通基盤として柔軟に 対応できることも選定の理由になりました」と大島氏。プロジェクトを統括する小林 氏も、以前からアバイア製品に対してポジティブな印象を持っていたという。「かつて アバイアのPBXに関わっていた際、どのような状況でも待機系への切り替えがスムー ズに行われ、お客さまにご迷惑をおかけせずに障害に対応することができました。そ のため今回も製品の完成度については大きく期待しています」と小林氏。

機能面のほか、セキュリティやID管理などの面で金融機関が求める堅牢性に優れた 環境が整備できることを確認したうえで、グループ全体で共通利用するコンタクトセ ンターソリューションとしてアバイアが採用されることになる。

席数8,500を超える大規模システムをクラウド環境で 安定稼働させることを目指す

今回のコンタクトセンターシステムの共通化プロジェクトは、グループ内でコンタクト センターを運用する6社に数年かけて導入されるものとして計画されており、すでに1 社が稼働し、直近では2社での展開が予定されている。残りの3社は既存環境の更改 タイミングに合わせて実施する。1日数万件のコールに対応できる基盤として席数的 には全体で8,500ほどが用意されるなど、国内最大規模となるコンタクトセンターが 稼働することになる。機能面でも、PBXやレポートツール、CTI、IVRといったコンタクト センターに不可欠なものが全て導入されており、各社での運用に欠かせない座席表 のアプリケーションなども提供していく計画だ。これらの機能を含め、コンタクトセン ターシステムは、同社が資産を保有したうえで各グループに貸し出す形でサービスが 提供される。

これまで物理サーバーがメインだった環境からプライベートクラウドとしての仮想環 境に移行したことで、先行して展開する3社のサーバー数は3分の1ほどに削減できる 見込みであり、ライセンスや運用にかかるコストなどを含めて、全体で15~20%のコ スト削減が見込まれている。

また、従来は各社が個別にコンタクトセンターを構築・運用していたため、グループ全 体としてノウハウが蓄積・共有されにくい懸念もあった。「専任の組織で構築運用して いくことで、我々内部に構築ノウハウを蓄積していけるようにしています。今後各社に 展開していく際にもノウハウを生かして期間短縮が可能になるだけでなく、安定稼働 に向けた品質向上にも大きく貢献するはずです」と上村氏。

今回、プライベートクラウド環境で整備したコンタクトセンターシステムは、安定的に 運用できているという。「まだ1社目が稼働した段階ではありますが、今後の心配はし ていません。スペックが明確なアプライアンスとは異なり、今回は汎用的なサーバー 群で運用するため、事前に仮想環境で動かすための要件について十分協議しました。 開発工程においても当初想定と異なることはありましたが、アバイアからの協力もあ り、大きな問題もなく本番稼動を迎えることができています」と藤本氏は評価する。

なお、使い勝手や安定性の面では、以前と特段変わっていないという。「物理環境での 操作性が、仮想環境に移行しても大きく変わっていないというのは、実はかなり重要 なことです。オペレーターの操作性を損なうことなく、以前と同じように活用できるこ と自体、非常に大きな成果だと思っています」と大島氏は力を込める。

アバイアについては、海外製品が主であるものの、座席管理ツールであるAgentMAP やCTIソフトフォンであるStationLinkなど日本独自の機能を持つソフトウェアが多数 用意され、日本のユーザーに配慮されていると大島氏は評価する。「日本製品のほう がかゆいところに手が届くことが多いものですが、日本法人である日本アバイアには そのあたりもいろいろ工夫いただいており、今後さらなる改善を期待しています」。 加えて、万一障害が発生した際には、回線事業者も交えて原因特定を進めることにな るが、日本アバイアからは技術的な助言をはじめとした積極的なサポートを受けてい るという。

同社では、既存のセミナー以外にも社内に技術を根付かせるためのスキルトランス ファーを目的とした個別研修を日本アバイアに依頼しており、社内でのスペシャリスト 育成にも積極的に取り組んでいる。「数年かかるプロジェクトだけに、社内にしっかり ノウハウが蓄積できる環境づくりを進めています。このためにも、今後日本アバイアに は協力をお願いしたいと考えています」と上村氏。

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グループ各社がこれ まで活用してきたアプ ライアンスサーバーが、 実はどれもアバイアの ソリューションでした。 そのため、アバイアが 基盤の共通化にどの 程度柔軟に対応でき るかの視点で検討を 進めました

上村洋史氏

株式会社日本総合研究所

音声認識やAIを活用したボット連携など新たな技術への挑戦も

土台となる基盤の更改は既に実現しており、計画通り残りのグループ企業への展開 を進めていくことになるが、将来的には、新たなチャネル統合も含めたコンタクトセン ターのさらなる高度化にも取り組んでいきたい考えだ。「AIを用いて問い合わせを支 援するボット連携に取り組みたいという声がすでに挙がるなど、構築したコンタクト センターへの期待は一層高まっており、私たちも利便性の高い仕組みづくりに積極的 に取り組んでいきたい」と藤本氏。

また、オムニチャネル基盤としてのAvaya IX Digita(l 旧名Avaya Oceana)対応も含め 今後どう拡張していくべきなのか、考えをさらに進めていくという。「インフラの共通化 を実現したことでライセンスの割り当ても含めて有効活用できる基盤が整備できまし た。今後は音声認識など先端技術も含めて取り組みながら、グループ全体のデータを うまく活用し、ビジネスにつなげていけるような活動についても積極的に取り組んで いきたい」と小林氏は最後に語った。

今般、日本総合研究所では組織変更を行い、コンタクトセンターシステムの開発/運 用を主務とする部署を新設しており、SMBCグループ1社目のリリース完了の後、上村 氏が当部署を引き継いている。グループ2社目、3社目のグループ共通化を進めると ともに、コンタクトセンターの高度化を一層加速させていく狙いだ。

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アバイア製品には API などのインタ フェースが豊富にある ため、基幹システム との連携も含めて、 共通基盤として柔軟 に対応できることも 選定の理由になりま した

大島靖之氏

株式会社日本総合研究所

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