番外編:「今さらですがCTIを使いたい!」

-CTIのルーティング
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-CTIをもっと使え(後半:実践編)
長崎智洋

みなさまこんにちは。
今回は、実践編ということで、具体的にCTIを使って何ができるかを考察してみたいと思います。

その前にまずは用語のおさらいをしましょう。
すでにご存知かと思いますが、CTIとは、Computer Telephony Integrationの略で、電話とコンピューターを統合するという技術です。

例えば、パソコンで電話機の操作をしたり、着信時に発信者番号からデータベースを検索し顧客情報を瞬時に表示したりするスクリーンポップアップなどが代表的ですね。

CTIでは電話の呼に付帯している情報を取り出したり、呼に情報を付加して一緒に転送したりできます。

はたして、AHTを下げることに貢献できるのか一緒に見て行きましょう。

削減できる可能性のあるのはどこ?

スクリーンポップアップ

CTIを使っていて、これをやらないセンターはないと言っても過言ではありません。
機能としては、冒頭で説明したとおりになります。

少し技術的な説明をさせて下さい。
エージェントさんに電話が着信したときに、その呼に付帯している情報の代表は、ANI(発信者番号)とDNIS(着信番号)です。スクリーンポップアップは、これらを使います。

まずANI(発信者番号)は、お客様の発信者番号ですので、着信した瞬間にANIをキーにしてデータベースの検索し、エージェントさんのパソコンに顧客情報を表示します。

次に、DNIS(着信番号)は、どの番号に架けられたのか、つまり、どの窓口(サービス)なのかを認識し、その窓口用のアプリケーションに切り替えたり、窓口情報を自動的表示したりします。エージェントさんが複数の窓口(スキル)を同時に対応するための手助けになります。

また、どの窓口からの着信だったのか等の情報は、わざわざ選ぶ必要がなく自動的に履歴に保存することができるようになります。

スクリーンポップアップ

さらにIVR(音声応答装置)も、CTI接続をすることで高度化できます。
IVRでお客様が入力した会員番号や顧客認証結果などを、呼に付加して転送することができます。これはエージェントさん側での通話時間をかなり削減することができます。
そして、IVRからエージェントに電話を振ったときに、どのメニューから転送されただけでなく、直近に通った5つメニューを表示できれば、会話をスムーズに進めることができるでしょう。
※呼に添付できる情報をUUI(User-to-User Information)と言います。

スクリーントランスファー(画面転送)

これはその名の通り、電話と一緒に、対応している画面を一緒に転送するといった機能になります。
画面転送とは言え、実は画面自体を転送しているのではないです。
冒頭で、CTIでは電話に情報を付加して一緒に転送できると言いました。この機能を使います。転送する前に、今開いているお客様の顧客IDを付加して転送します。転送された方は、着信時にその顧客IDを取り出しデータベースを検索し、あたかも画面自体が転送されたように、見せかけるのです。画面が何枚もあるアプリケーションでこれをやろうとすると、苦労するかもしれません。私の知っている限りでは、画面にID番号を振って、画面IDと顧客IDを一緒に転送することでカバーしているケースがあるようです。あと、入力途中のデータを転送するのはデータベースに保存されていないためにできません。一旦データベースに保存してからであれば、画面転送できるようになるでしょう。

スクリーントランスファー

CTIのソフトフォンでできること

次に、上記に加えソフトフォンを使ってできることを1つ1つ見てみましょう。弊社でもいくつかのタイプのソフトフォンを提供しています。やはりソフトフォンの最近のトレンドも見える化でしょうか。必要な情報をエージェントさんにソフトフォンを通して伝える。それがソフトフォンの1つの役割になってきています。
今回は、弊社のソフトフォンStationLinkを使っていくつかの例を見ていきましょう。

ソフトフォン

① 転送・発信の効率化(アドレス帳、発着信履歴)

転送・発信時に、過去の発着信履歴やアドレス張から発信できると、効率を上げることができます。

転送・発信の効率化①

② 転送・発信の効率化(グループのプレゼンス)

自分が回答できない内容の電話は、他のグループへ転送せざるを得ません。そのときに、転送先が空いているかいないかは、実際に転送してみないとわかりません。呼び出し音を聞いて、5回呼び出して応答されなければ、折り返しにするなどといったルールを決めているセンターも多いと思います。この場合、お客様も待たされ、エージェントのAHTも延びてしまいます。
そこで、転送先のグループのプレゼンス情報がわかれば、転送をする前に、お客様を誘導することができるようになります。

転送・発信の効率化②

グループ名の頭のアイコン(緑:空きあり、赤:空きなし)で状態がわかります。また、グループの受付可、待ち呼数を表示します。

③ 転送・発信の効率化(個人のプレゼンス)

グループのプレゼンス画面のグループ名の"+"の部分をクリックすると、展開することができ、個人のプレゼンス情報がわかります。転送する前に、転送できるのかできないかを把握することができます。

転送・発信の効率化③

コラム: 個人転送について
 コンタクトセンターではなるべくならば個人転送は使いたくないですね。
 理想は誰が応対しても同じような対応ができること。
 "名指し"がある場合は、その人がいないと、余計な業務を生みます。
 折り返しするための情報収集が必要になりますし、また、不在を案内した場合、何度も架かって来るかもしれません。
 もし、個人転送や名指し等があるのであれば、"なぜ"そうなのかを考える余地があると思います。
 本当に必要なのだろうか、それともカバーできるのか。
 テクノロジーでカバーできるのは、電話が鳴ったときに、瞬時に過去の履歴を呼出、誰もがそのお客様の担当になれる機会を作ってあげること。
 転送先のプレゼンスを表示し、転送前に判断できるようにすること。
 また、次回架かってきた場合は、"私にかけてください"と予約すること。
 これはCTIのルーティング機能を使って実現できます。
 また、"折り返し"をタスクとして登録し、トラッキングできるような顧客管理システムがあると便利ですね。

④ Click-to-Dial

業務アプリケーションの画面上の電話番号をクリックすると、発信する機能です。いちいち電話番号を入力することに比べると非常に効率がよいです。

⑤長時間保留の把握

保留時間が長いことをエージェントさんに通知します。保留時間の意識を持ってもらうことを目的としていますが、結果的に通話時間削減につながる可能性があります。

より多くの電話に出るために:イレギュラーの把握

⑥長時間後処理の把握

後処理時間にしきい値を設け、例えば、3分を超えた場合は黄色に、5分を超えた場合は赤色に変化するなど、後処理時間を削減するために意識を持ってもらうことを目的としています。

より多くの電話に出るために:イレギュラー(長時間後処理)の把握

⑦待ち呼の視覚化

ソフトフォン上に待ち呼情報を表示することができます。普段は緑色ですが、待ち呼数に応じて、信号機のように、黄色、赤色と変化します。また、詳細情報を表示することもできます。
より多くの電話に出るために: 待ち呼の表示

ヒント: 待ち呼ソリューションの紹介
  ソフトフォンが無くても、待ち呼をクライアントに待ち呼を表示するアプリケーションがあります。その名もAgent Qです。今度詳細をご紹介します。

AgentQ

 待ち呼があるときは、次の電話に出ればよいですが、待ち呼がない場合は、VOCを集めるためにアンケートを行うなど、上手く使えると思います。

⑧アラームを発報する

エスカレーションが必要だと思われるコールを事前にスーパーバイザーに通知し、エスカレーションする前にモニタリングをしてもらいます。そうすることで、スムーズにエスカレーションができ、結果的に応対時間を短くすることができます。

Agent MAPアラーム連携

コンタクト履歴・コールリーズンを残しやすくなる

CTIのメリットは、情報が集めやすくなるところにあります。つまり、コンタクト履歴をより価値のあるものにすることができます。
CTI側からは、ANI、DNIS、着信時の時間、切断の時間、UCID、コールIDは自動的に引っ張って来れます。これに、CRM側から、どの顧客に対応したのか、どんなサービスを受けたのか、何を購入したのか、どんな対応をしたのかなど、CTIの情報とCRM側の情報を統合してより価値のある情報にすることができるでしょう。

ヒント: 最近の録音装置のCTI接続
 最近の録音装置には、CTI接続ができるものがあります。
 録音装置側では、時間や内線番号に加え、エージェントID、ANI、DNIS、UCID、UUIなどで、検索することができます。

効率を上げるだけがCTIではない

CTIを使うことで、通話時間・後処理時間を削減する可能性があることはわかって頂けたかと思います。少しでもAHTを下げること、それが、ピーク時にはとても大事だからです。ただ、効率を上げるだけがCTIではありません。

コンタクトセンターは、その会社にとって、会社の価値を上げる戦略的パートナーなのです。
顧客の声を集め、新しい製品・サービス創造への貢献、品質へのフィードバック、マーケティングのキャンペーンの担い手など、会社のサービス・プロセス・品質・生産性に寄与する潜在能力があります。

CTIを使うことで、効率を上げ、情報を収集しやすくなり、そして、空いた時間で少しでも顧客の声を収集し、フィードバックに充てる機会を増やすことができるでしょう。また、コールリーズン分析・さまざまな改善のためのヒントを集めることが可能となるはずです。
CTIは、効率を上げるためだけのテクノロジーではなく、使い方によっては、高度化するためのテクノロジーにも成り得るのです。


おわりに

今回はちょっと宣伝っぽくなってしまいましたが、言いたいことはわかって頂けたかと思います。

私がはじめてCTIを体験したときに、「これは便利だ」とちょっとした感動・感激、そして使う楽しさがありました。エージェントさんにとっては毎日使うものですから、やはりその便利さ・楽しさを味わって頂けるような製品を提供して行きたいと思っています。

今回はCTIでできることを紹介しましたが、全部紹介しきれませんでした。漏れたものとしては、CTIのルーティングや、プレビューダイヤル・プレディクティブダイヤルなどがあるかと思います。
次回は、CTIのルーティングについて触れてみたいと思います。

それでは、次回もご期待下さい。

第12回

番外編:「今さらですがCTIを使いたい!」
-CTIのルーティング