アバイア ビジネスアドボケート :

サービスレベル目標に最大限に近づけるようにルーティング
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アバイア プロフェッショナルサービス シニアコンサルタント 
長崎智洋

みなさま、こんにちは。
前回の続きでビジネスアドボケートの1つの機能をご紹介しましょう。
今回のテーマは「サービスレベル目標に最大限に近づけるようにルーティング」です。  

今までルーティングの課題は?

本題にはいる前に、今までのおさらいをしましょう。センターに架かって来た呼がエージェントに着信するときに、どの呼がどのエージェントに着信するのかは、2つの状況を考える必要があります。1つはCall Surplus(エージェントが持っているスキルに待ち呼がたくさんある)状況、もう1つはAgent Surplus(空きエージェントがたくさんいる)状況です。各々の状況での着信のルールは、Call Selection Method(コールセレクションメソッド:待ち呼の中でどの呼が応答されるのか)とAgent Selection Method(エージェントセレクションメソッド:たくさんいる空きエージェントの中で誰に着信させるのか)という選択方式が採用されます。これらは第19回で詳しく解説しています。
フロー側でつけるスキルにキューイングするときに付ける4つのプライオリティー(低・中・高・トップ)、スキル側の設定のUCD/EAD-MIA/LOA、エージェントでのスキルレベル/グレーテストニーズの組合せによって、どの待ち呼が応答されるのかが、変わってきます。
そして、これらの設定によってどの呼が優先されるかなどが決定されるため、ルールを正しく理解し正しく使いましょうというお話をしてきました。歪んだ設計・設定は歪んだ結果を生み出してしまいます。
さて、ルールはわかった。でもちょっとした加減、例えば、「普段は他のスキルに応答してもらいたいが、3回に1回ぐらいは●●スキルに応答して欲しい」というわけには行かないのが、今までのルールです。この例えの裏にある理由は、普段は他を優先して欲しいのだが、まったく応答されないのも困る。だから、3回に1回ぐらいは応答して欲しいというものだと思います。

コールセンターのKPIで、はじめに持ってくるべきKPIはサービスレベルですね。サービスレベルとは、目標応答時間に対し何%達成できたかを表す指標です。「20秒以内に80%のコールに応答する」といった使い方をします。そうやって考えたとき、「●●スキルの目標応答時間は60秒でよいが、他のスキルの目標応答時間が20秒にしたい」ということになるかもしれません。

プライオリティーをつけた着信ルールは100%優先されるため上記のような加減が難しいです。
センターは、サービスレベルでマネージメントしており、この数値を上げるための努力をしています。 しかし、コストは限られており、サービスレベルを100%にするためにはお金がいくらあっても足りない。だから、今いるエージェントさんたちとで、そのときそのときで、サービスレベルを最大化していくしかないのです。
でもいったいどうやって?
 

サービスオブジェクティブ

「サービスオブジェクティブ」はビジネスアドボケートの1つの機能で、待ち呼がある(Call Surplus)状況に用いられるコールセレクションメソッドの1つになります。「サービスオブジェクティブ」は、今いるエージェントさんたちで、そのときそのときで、サービスレベル目標に最大限に近づけるようにルーティングをしてくれるのです。そんな夢のようなルーティングがあるのでしょうか? あるのです。アバイアだからできるルーティングがあるのです。

それでは仕組みを説明しましょう。
各スキルの目標とする応答時間は、その内容から異なっていると思います。では、以下のように各スキルのサービス目標(目標とする応答時間)が設定されている場合を考えてみましょう。


 

各スキルには上図のように待ち呼があります。このとき「問合せ」・「受注」・「VIP」・「クレーム」の4つのスキルを持つエージェントが受付可になりました。はたしてどの待ち呼が応答されるのか?

エージェントが受付可になった瞬間に、各スキルの先頭の「今までの待ち時間(CWT)」と、「もし今応答しなければあとどれぐらい待つか」という予測値の合計からその呼のPWT(今までの待ち時間+あとどれくらい待つかの予測時間)を計算します。そして、各スキルの待ち呼の「PWT÷サービス目標時間」の計算結果から値が一番大きなもの、つまり、サービス目標時間から一番乖離している着信呼から先に接続します。 

それでは、言葉だけではわかりにくいので、1つ例をご紹介しましょう。
 

サービスオブジェクティブ

4つのスキルを持つエージェントが受付可になった瞬間に、まず各スキルの今までの待ち時間(CWT)ともし今応答しなければあとどれくらい待つかの計算をします。上図の数値を抜き出すと以下のようになっています。
 

そしてここから、PWTを計算します。さらに、「PWT/サービス目標時間」の計算にて各待ち呼のレートを算出します。


 

ここでは、VIPスキルのレートの値が一番大きいため、VIPスキルの待ち呼が接続されるということになるのです。

受付可になった瞬間にこの仕組みが働き、サービス目標から一番乖離している待ち呼が接続されることになります。その結果、そのときそのときでサービス目標に近づくように自動的にルーティングされるのです。

現場のスーパーバイザーさんは、ご自身でエージェントのスキルを変更し、ルーティングによる“歪み”の微調整を行って、何とかサービスレベルが悪くならないように努力しているケースもあるかと思います。そのようなケースにもサービスオブジェクティブは有効ですね。

この仕組みであれば、「3回に1回は応答して欲しい」に対しての直接の回答にはなりませんが、センターマネージメントでトラッキングしているサービスレベル目標に近づくようにルーティングされるので、こちらの方が良いと言えるのではないでしょうか。

おわりに

最後までお付き合い頂きありがとうございました。今回もお楽しみ頂けましたでしょうか?

ビジネスアドボケートの機能の1つを紹介しました。続きは次回以降でお届けします。

第23回

アバイア ビジネスアドボケート:
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