重要性の増す「よいサービス」カスタマーエクスペリエンスの優劣は、企業にどのような影響をもたらすか?

16 Dec 2013
日本アバイア株式会社(東京都港区、代表取締役社長:井上 公夫)は本日、日本を含むアジアパシフィック7カ国の一般消費者を対象に行った『コンタクトセンターにおける顧客体験調査』の結果を発表しました。2008年にスタートし、今年で6回目となる2013年度の調査結果概要を国内のデータを基にお伝えします。
1. 「よいサービス」の重要性が増している
製品主導のビジネスモデルが限界を迎える中、カスタマーエクスペリエンスを管理し、顧客に優れたサービスを提供することは、企業にとってこれまで以上に重要な課題となっています。本年度の調査では、カスタマーエクスペリエンスの質が顧客の今後の購買動向に大きな影響を与えることが浮き彫りになりました。
  • 消費者の大半(56%)は、一貫して優れた顧客サービスを提供する企業に少なくとも10%高いコストをかけてもよいと考えている。
  • 顧客の7割は、質の悪いサービスを提供された場合、家族や友人にその企業を利用しないよう積極的に勧める。
  • 顧客の8割は、質の悪い顧客サービスを提供する企業の製品やサービスの購入を積極的に避ける。
 
本調査では、顧客が製品やサービスを乗り換える理由として、「質の悪い製品/サービス」(72%)、「わかりづらい顧客サービス」(66%)、「値上げ」(45%)が上位にあがりました。「わかりづらい顧客サービス」が2位となったことから分かるように、優れたカスタマーエクスペリエンスが提供されない場合、企業に何かしらのリスクがもたらされることが示されました。
 
2. マルチチャネル化の展望
カスタマーエクスペリエンスへの対応を強化する企業が直面する課題の1つに、顧客が企業への問い合わせで利用するチャネルが複数になるにつれ、その管理が複雑になることがあげられます。現在では、店頭での対面という旧来の手段に加えて、バーチャルオペレータなどの20以上のチャネルが提供されるようになっています。
 
顧客は、さまざまな理由から複数のチャネルを使って企業にコンタクトをします。本調査では、消費者のチャネル利用に関するいくつかの事実が明らかになりました。
  • 平均すると、顧客は1つの企業に3カ月間で少なくとも3回の問い合わせを行い、その際に概ね2種類のチャネルを利用した。
 
この行動は、顧客が複数の問い合わせをするために、都度異なるチャネルで問い合わせを行ったということも言えます。ただし、顧客が異なるチャネルを利用したのは、最初に使ったチャネルで問題が適切に解決されなかったから、ということも推測されます。
  • 問題を解決するために必要だった企業への問い合わせの平均回数は3回をやや超える。(3.07)
 
複数のチャネルを利用する中で、顧客はチャネルの種類に関係なく、シームレスに統合されたエクスペリエンスを期待するようになっています。しかし、これに対する企業の対応については評価が低く、より効果的なカスタマーエクスペリエンス戦略を展開したい企業の課題となっています。カスタマーサービスが「よい」または「優れている」と評価された点としては、下記があげられています。
  • アカウントのIDや個人情報を毎回伝える必要がない。(60% よい/優れている)
  • 問い合わせごとの情報が統合されている。(60%)。
  • 異なるチャネル間で履歴が把握されている。(49%)
  • 同一案件の場合、問い合わせ内容を毎回伝える必要がない。(37%)
 
3. 今後のチャネル投資について
企業が顧客に提供するチャネルの多様性を拡大するマルチチャネル(オムニチャネル)化において重要なのは、単に競合を真似るのではなく、顧客の声を聞きながら、そのニーズに応えるチャネル戦略を整備することです。
本調査では、国内で成長が期待される上位のチャネルに、「Eメール(顧客の27%が利用を増やすと回答)」、「ライブエージェント(25%)」、「ウェブセルフサービス(21%)」があげられました。
 
その他のチャネルとしては、「モバイルアプリケーション」(12%)、「ソーシャルメディア/オンラインフォーラム」(7%)、「ウェブチャット」(3%)、「SMS」(6%)、「IVR」(5%)、「ビデオ」(3%)が続きます。もちろん、こうした新しいチャネルを新たに提供する際も、音声やEメールといった既存のチャネルは維持しなければなりません。また、顧客はますます自分で問題を解決したいと考えるようになっているため、「ウェブセルフサービス」が今後中心的なチャネルになると考えられるようにもなっています。そのため、よりコストのかかるチャネルの導入をスキップして、顧客が自力で問題を解決できるようにするためのナレッジマネジメントあるいは顧客関係管理(CRM)ツールを導入する、という策も考えられます。
 
また調査では、3件の問い合わせのうちほぼ2件(62%)で最後に「ライブエージェント(人)」と直接話をしたことが明らかになっており、「対面」(13%)と「IVRとライブエージェント」(11%) がこれに次いでいます。つまり、顧客は新しいチャネルの利用を増やす意向を示しているものの、こうしたチャネルがまだ顧客の期待に完全に沿う完成度になく、余計にかかる労力が従来のチャネルによる問い合わせへと顧客を引き戻していることが分かります。
 
ソーシャルメディア
サービスチャネルとしてのソーシャルメディアの利用は、今後も急速に成長すると予測されます。本調査では、まず他のチャネルで問題解決を試みた顧客が次に利用するチャネルとして、ソーシャルメディアの利用が拡大していることが明らかになりました。問い合わせのために過去3カ月にソーシャルメディアを利用した8%の顧客のうち、それに先立って他のチャネルから問題解決を図った顧客は半数強(54%)にのぼります。また、ソーシャルメディアを利用して問い合わせを行った理由としては、多くのユーザーが「企業内で問題が取り上げられる」(46%)、「対応が速い」(46%)、「より積極的な応対が受けられる」(46%)ことを期待していることも明らかになっています。
 
現時点では、顧客はソーシャルメディアを第一のチャネルではなく、従来のチャネルを補完する手段ととらえています。これは、ソーシャルメディアで投稿されるコメントに対して企業がいかに敏感であるかを、顧客が強く認識できるからです。
 
SMSとEメール
アウトバウンドのコミュニケーションについては、SMSとEメールによる通知を利用する顧客が半数強(54%)となっているものの、特に「交通機関の遅延情報」、「予約確認」、「キャンペーン/特別サービス」、「不正利用のアラート」、「予約の更新/変更」 などは、SMSとEメールによるサービスの拡大に対する強い需要が示されています。
 
多くの場合、効果的なアウトバウンド戦略では顧客が企業に問い合わせを行う必要性がなくなるため、企業は運用コストを削減しながら、簡素化された容易なエクスペリエンスを提供することが可能になります。
 
4. 調査結果から導き出されること
本調査の結果から、企業が注目すべきいくつかの動向が明らかになりました。
  • 顧客は、カスタマーサービスの質が今後の購買動向に影響を及ぼすことを示している。これは、顧客がある製品/サービスの購入を継続するか、あるいは家族や友人に利用しないよう勧めるか、という結果の違いをもたらす。
  • 顧客が複数のチャネルを利用する中、カスタマーエクスペリエンスの管理はより複雑になっているが、顧客はシームレスに統合されたエクスペリエンスが提供されることを期待している。企業に期待されるのは、顧客の行動を把握し、その情報を使ってやり取りをできるだけ簡素化することである。つまり、顧客は利用するチャネルを変更するたびに同じ情報を何度も伝えたり、問い合わせを一からやり直さなければいけないことを嫌う。
  • 顧客は、コントロール性を求めており、企業のウェブサイトやモバイルアプリケーションを利用したり、ソーシャルメディアで他のユーザーが提供する情報を検索するなど、セルフサービスチャネルをさらに利用するようになっている。
  • 期待するサービスが提供されない従来のチャネルやプロセスを避けるため、顧客はソーシャルメディアをますます利用するようになっている。
  • 企業には、SMSやEメールを利用することで顧客による企業への問い合わせを減らし、顧客を積極的に引き込むという大きな機会が存在する。
 
5. 戦略的なカスタマーエクスペリエンス設計とは
カスタマーエクスペリエンス管理の複雑さを踏まえ、大手企業は潜在機会を活用するためにより戦略的なアプローチを取り始めています。下記は、カスタマーエクスペリエンス戦略とマルチチャネル戦略における勘所です。
  • 複数のチャネル間でシームレスに統合される、顧客視点のカスタマーサービスの提供
  • 各チャネル間での情報共有
  • カスタマーエクスペリエンスの提供において各チャネルが担う役割と準備を整える必要がある領域の把握
  • 企業全体への周知
 
※調査概要
第6回『コンタクトセンターにおける顧客体験調査』
調査時期: 2013年8月22日~9月10日
調査地域: 日本、オーストラリア、インド、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイの7カ国
調査方法: Fifth Quadrant社によるオンライン調査(*インドの約半数は電話による調査)
調査人数: 7カ国合計2,445人、日本は310人
 
本調査の日本語版サマリおよびインフォグラフィックスがこちらからご覧いただけます。
http://www3.avaya.com/jp/cem/cem-index.asp
 
Fifth Quadrantについて
1998年に設立されたFifth Quadrant Pty Ltdは、カスタマーエクスペリエンス戦略の設計と調査を行う企業であり、経営コンサルティング、業界分析、顧客エクスペリエンス設計、顧客調査、データモデリング、業務改善プログラム、経営者トレーニングプログラマーを提供しています。対象とするチャネルは、コンタクトセンター、対面、オンライン、通信、ソーシャルメディア、モバイル、ビデオです。
 
アバイア(Avaya Inc.)について
アバイア・インク(本社所在地:米国カリフォルニア州サンタクララ)は企業向けコミュニケーションおよびコラボレーションのグローバル・リーダーです。アバイアは、ユニファイドコミュニケーション・ソリューション、コンタクトセンター向けソリューション、ネットワーキング・ソリューションおよび関連サービスを世界中のあらゆる企業に提供します。
 
詳細は、アバイアのWebサイトhttp://www.avaya.com をご覧ください。
日本アバイアについては、http://www.avaya.com/jpをご覧ください。
※AvayaおよびアバイアのロゴはAvaya Inc.の登録商標です。
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電話: 03-5575-8850  e-mail: JPenquiry@avaya.com 
 
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